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Thermodynamic downfoldingの金属系への応用


(鳥大工応数)○吉本 芳英


 吉本は物質の構造相変化を調べるために第一原理計算とマルチカノニカル法を組み合わせて、第一原理で得られた原子間相互作用エネルギーをモデル化する手法「Thermodynamic downfolding」を提案し、結晶の融解に応用してきた。[1]結晶は共有、イオン、金属、分子性の4つに分類できるが、これまでに共有結晶とイオン結晶に対して応用した。
 ここではこれらに続いて金属系に対する応用を試みる。取り上げるのはバルク金属ガラスを構成する成分となるCuおよびZrである。CuZrの合金にはバルク金属ガラスが得られる組成のものがある。バルク金属ガラスには、工学的に魅力的な物性があるので注目されている。
 新しい系に応用する際に必要になるのは第一原理計算による原子間相互作用エネルギーをあてはめるためのモデル原子間ポテンシャルである。ここでは、2体相互作用までのStillinger-Weber型のものを検討する。[2]これは、このタイプのものを用いたバルク金属ガラスの既存研究があるためである。
 以下にCuの融解の暫定的な結果を示す。(U: ポテンシャルエネルギー,V: 体積)。転移に伴って不連続な飛びが見られる。得られた融点は1250 K (実験値1357.77 K)である。
Cuの融解の暫定的な結果
 一方、Zrの融解の暫定的な結果を以下に示す。得られた融点は1940K (実験値2127.85K) である。
Zrの融解の暫定的な結果

【参考文献】
[1] Y. Yoshimoto, J. Chem. Phys. 125, 184103 (2006)
[2] X. J. Han and H. Teichler, Phys. Rev. E 75, 061501 (2007)



*出典:ナノ統合第4回公開シンポジウム要旨集より。
 掲載に際しては吉本芳英准教授のご了承を得ています。



鳥取大学工学部 応用数理工学科へのリンク: http://www.damp.tottori-u.ac.jp/index_j.html

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